Laid Back Jazz Piano Best 10 and Practice


裏イーブンの練習用

だのばただのばただのばただの


「リズムを後ろに置く・タメる」タイプのジャズピアノをじっくり味わえる YouTubeおすすめ音源ベスト10 を、興味深い解説付きでご紹介します。


🎹 後ろ乗りジャズピアノおすすめ動画ベスト10


1. Wynton Kelly – Freddie Freeloader (Miles Davis, Kind of Blue)

ケリーの代表的ソロ。ブルース進行の中で、常に 拍より後ろに滑り込む ようなラインを弾くことで、余裕あるグルーヴが生まれます。モーダルなシンプルさの中で「後ろノリ」の教科書的な例。

00:10–00:40:ケリーのソロ冒頭。ブルースフレーズを1拍後ろに「落とす」ように弾いており、ベースラインと絶妙にズレながらも一体化している。

01:20–01:40:ブルーノート的なリックをわざと後ろに入れて、スイングが粘っこく感じられる部分。


2. Wynton Kelly – Kelly Blue

ゆったりしたスウィング。テーマからソロまで、ピアノがほんの少し後ろに寄り添うことで、バンド全体がレイドバックした雰囲気に。ケリーの余裕を味わうなら外せません。

00:40–01:00:テーマ後のソロ立ち上がり。左手コードを「ほんの少し後ろに押す」ことで、ゆったりとした揺れを作っている。

02:00–02:20:右手の速いフレーズでも、リズムに突っ込まず、後ろで遊ぶ感じが明確。


3. Red Garland Trio – Groovy (Full Album)

「後ろノリ」の代名詞的アルバム。左手のブロックコードを“タメて”置くことで、ビート全体が粘っこく心地よく流れます。ミディアムテンポが最高の教材。

01:30–02:00:「C Jam Blues」でのブロックコード。ベースの4ビートに対し、左手が常に半呼吸遅れてくるため、強烈なレイドバック感がある。

03:40–04:10:右手のブルージーなフレーズを後ろに引っ張り、ベースとドラムを“待たせる”ような間合いが絶妙。


4. Red Garland – Willow Weep for Me

ゆったりバラードで、拍よりわずかに後ろに入るアタックがリスナーを包み込みます。ガーランドは「急がない勇気」で、曲全体に余裕を与える名人。

00:30–01:00:テーマの入り方。拍にきっちり合わず、ほんのり「ため息をつくように」後ろに寄せる。

02:20–02:50:ソロ部分。ベースのウォーキングに対し、コードを一瞬遅らせて置くため、漂うような浮遊感が生まれる。


5. Ahmad Jamal – Poinciana (Live in Paris, 1958)

ドラムとベースがシンプルに刻む上で、ジャマルが 間を大きく取って後ろに置く ことで、独特の浮遊感が生まれます。リズムの“抜き”でレイドバック感を作る天才。

01:00–01:40:メロディを切り詰め、空白を増やしてリズムを後ろに感じさせる。

04:20–05:00:右手のオスティナート風フレーズをわざと遅らせて置き、ドラムのリズムとズレることで「揺れ」が強調される。


6. Ahmad Jamal – But Not for Me (At the Pershing)

有名なライブ録音。「間」と「後ろ乗り」の極致。ピアノがあえて弾かない瞬間に、ベースとドラムが自然に前に出て、スウィングがより深くなる仕掛け。

00:40–01:20:冒頭テーマ。シンプルな和音を遅めに入れることで、後ろノリが自然に浮かび上がる。

03:00–03:40:ソロ中盤。ベースが前に出るのに対して、ピアノがさらに「間」を伸ばし、強いレイドバックを演出している。


7. Tommy Flanagan – Overseas (Full Album)

フラナガンの流麗なラインが、常にリズムより少し後ろで歌う。バップのフレーズを“遅らせる”ことで、余裕と優雅さが漂います。ヨーロッパ録音らしい透明感も魅力。

00:50–01:20:テーマからソロへ移る部分。流れるようなフレーズを「後ろに着地」させるため、軽快なのに落ち着いた印象。

02:30–03:00:ソロのブルース進行部分。あえて音を“後ろに引っ張る”ことで、ベースのウォーキングにしなやかに寄り添う。


8. Tommy Flanagan – Ballads & Blues (Full Album)

バラードで特に際立つフラナガンの「後ろノリ」。音の粒立ちはくっきりしているのに、決して急がず、聴き手を待ってくれる安心感。

01:20–02:00:バラードのメロディ部分。拍より後ろに“ためる”ことで、歌心が強調される。

05:00–05:40:ブルース曲でのソロ。後ろに置いたアタックがスイングをよりディープにする瞬間。


9. Hank Jones – We Three (1959, with Roy Haynes & Oscar Pettiford)

軽やかなタッチで知られるハンク・ジョーンズも、このトリオではしっかり後ろに構える。ドラムのロイ・ヘインズの推進力とのコントラストで、タメがいっそう際立ちます。

00:40–01:10:冒頭テーマ。軽やかでありながら、コードを後ろに寄せるためスイングがゆったり感じられる。

02:10–02:40:ソロでの8分音符ライン。前に突っ込まず、少し後ろに“腰掛ける”感覚が分かりやすい。


10. Bill Evans – Peace Piece (1958)

番外編的に、ビル・エヴァンスの即興曲。明確なスウィングではないけれど、フレーズを拍の後ろに溶け込ませることで「時がゆっくり流れる」感覚を生む名演。

02:00–02:40:繰り返しのコードに対して、右手の旋律を後ろに落としてくる部分。テンポはないが「時間が伸び縮みする」ような後ろノリを体感できる。

04:30–05:00:旋律が激情を増す場面でも、決して前に突っ込まず、遅らせて音を置くことで瞑想的なムードが維持される。


💡 解説ポイントまとめ

  • Wynton Kelly → 拍より「後ろ」に落とすスイング感

  • Red Garland → 左手コードのタメと間合いで生まれる後ろノリ

  • Ahmad Jamal → 音を抜くことでリズムを浮遊させる後ろノリ

  • Tommy Flanagan → エレガントなラインを少し遅らせることで余裕を演出

  • Hank Jones → 軽快さの中にも後ろノリを仕込む

  • Bill Evans → 即興で「時間を伸ばす」ような後ろ置き

  • ケリーやガーランド → 拍の「後ろ」にコードやフレーズを置く

  • ジャマル → 音数を抜いて「間」で後ろを演出

  • フラナガン、ハンク・ジョーンズ → 流麗なラインを後ろに“腰掛け”させる

  • ビル・エヴァンス → 時間感覚そのものを伸ばすように後ろに置く



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