コードを押さえる練習曲とメニュー

 とても良い流れです。

ここでは前回挙げた **「汎用コード進行」**ごとに、

  • その進行を“純粋な形”で含む
  • キーを変えて無限に使える
  • 左手自動化・無意識化に直結する

という観点で、**練習曲(=スタンダード)**を整理します。
※「名曲紹介」ではなく、練習素材としての価値に特化しています。


① ii–V–I(メジャー)練習曲

最優先(王道)

  • Tune Up
    • ii–V–I が半音ずつ連続
    • ほぼ“ii–V–Iエチュード”
  • There Will Never Be Another You
  • How High The Moon

なぜ練習向きか

  • 進行が明快
  • 迷った瞬間に破綻が分かる
  • 左手の「解決感」を身体化しやすい

👉 枯葉の前段階 or 並行練習に最適


② マイナー ii–V–i 練習曲

最優先

  • Blue Bossa
  • Softly, As In A Morning Sunrise
  • Alone Together

ポイント

  • m7♭5 → V7alt → m
    頻出かつ露骨
  • テンション処理・オルタード感が自然に身につく

👉 枯葉のマイナー部を拡張する教材


③ 5度循環(Cycle of Fifths)系

最優先

  • Fly Me To The Moon
  • Just Friends
  • Autumn Leaves(←再確認)

練習の狙い

  • 左手を「ルート→距離」で動かす
  • 調性感が自然に移動する感覚を養う

👉 移調耐性・自動運転感の核心


④ Rhythm Changes(I–VI–II–V)系

最優先

  • I Got Rhythm
  • Oleo
  • Anthropology
  • Cottontail

なぜ重要か

  • テンポが速い
  • 思考が入ると即アウト
  • 左手の“反射速度”が鍛えられる

👉 「考えずに出るかどうか」の試金石


⑤ ジャズ・ブルース(12小節)

最優先

  • Straight No Chaser
  • Tenor Madness
  • Billie’s Bounce
  • Now’s The Time

ポイント

  • 進行は簡単
  • しかし 左手が最もごまかせない
  • タイム感とグルーヴがすべて

👉 理論→身体への変換装置


⑥ All The Things You Are 型(転調練習)

最優先

  • All The Things You Are
  • Solar
  • Recorda‑Me

なぜ練習向きか

  • 転調が連続
  • ii–V–I しか出てこないのに難しい
  • フォーム感覚が強制的に育つ

👉 「今どこ?」問題を根本から解決


⑦ Modal / Vamp 系(無意識完成度チェック)

最優先

  • So What
  • Impressions
  • Maiden Voyage

練習の狙い

  • コードが少ない=逃げ場がない
  • 左手が自動で鳴らないと音楽が止まる

👉 無意識化の“完成度テスト”


重要:練習曲の正しい使い方(超重要)

❌ やってはいけない

  • 曲ごとに別人格で覚える
  • ボイシングを毎回変える
  • 「この曲用の左手」を作る

✅ 正解

  • 同じ左手形を複数曲に流用
  • 進行だけ抜き出して回す
  • 右手を変えても左手は不変

練習効率が最大になる「最短ルート」

もし1曲ずつ選ぶなら、この順です。

  1. Autumn Leaves
  2. Blue Bossa
  3. Fly Me To The Moon
  4. There Will Never Be Another You
  5. Rhythm Changes(Oleo)
  6. Jazz Blues
  7. All The Things You Are
  8. So What

これで
ジャズの90%の進行に“無意識で対応”できる土台ができます。


あなたの前提に照らすと

「コードを抑えることに集中力を使うのはもったいない」

だからこそ、

これらの曲は
“表現のためにコードを忘れる”
ための練習曲

です。

次に進むなら、
「これらの練習曲を“左手2音/3音だけ”で完全自動化する具体メニュー」
(1日20分・数週間で効果が出るやつ)
を組みますが、続けますか?


いいですね、ここからが「左手を自動化して、右手に集中力を全振りする」本丸です。
社内検索ではジャズピアノの練習メニューそのものは見つからなかったので(出てきたのは別件の資料でした)、ここからは私の提案として、1日20分で“数週間で体感が出る”実戦メニューをそのまま渡します。 [【Dojo】使い方 | SharePoint]

以下は 左手2音/3音(ルートレス中心)だけで、前回挙げた練習曲(枯葉、Blue Bossa、Fly Me、Rhythm Changes、Jazz Blues、All The Things、So What)に横展開できるように設計しています。


0) 使う左手は「これだけ」に固定(迷いを排除)

最初は選択肢が多いほど自動化が遅れます。2種類だけに固定します。

A. 2音(最速で自動化)

  • 3rd & 7th(ガイドトーン)だけ
    • 例:G7 なら B–F
    • Dm7 なら F–C
    • Cmaj7 なら E–B

👉 これが「無意識化の最短コア」。テンションは後回し。

B. 3音(少しだけ厚み)

  • 3rd & 7th + 9th(or 13th)
    • ドミナント:9 or 13(どちらか固定)
    • メジャー:9
    • マイナー:9(または11)

👉 3音にするのは「音楽的に弾きたい」ためで、難易度は上がります。


1) 1日20分メニュー(固定ルーチン)

“毎日同じ手順”が自動化を爆速にします。

① 2分:ウォームアップ(指を勝手に動かす)

  • キーを決める(例:C)
  • ii–V–I(Dm7–G7–Cmaj7)を左手2音だけ
  • メトロ60、2拍に1回だけ(2&4の位置でもOK)
  • 右手は何もしない(左手だけ)

合格条件:止まらず2分回せる


② 6分:コア反射(ガイドトーン・ループ)

ここが最重要。ミスしない範囲のテンポで「考える前に出る」状態を作る。

2分×3セット

  1. メジャー ii–V–I(例:Dm7–G7–Cmaj7)
  2. マイナー iiø–V–i(例:Bm7♭5–E7–Am)
  3. I–VI–II–V(Rhythm Changesの核:C–A7–Dm7–G7)

ルールは1つ:

左手は2音のみ、ボイシングを変えない

合格条件

  • 次のコードを「考えた」と感じたらテンポが速い(戻す)
  • 迷った瞬間に止まるのではなく、音を減らして続ける(最悪3rdだけでも続行)

③ 8分:練習曲に“貼り付け”(実戦)

ここで初めて曲に乗せます。左手は固定、右手は“簡単”に。

4分×2曲(ローテでOK)

例(おすすめ順)

  • Autumn Leaves(枯葉)
  • Blue Bossa
  • Fly Me To The Moon
  • Jazz Blues(F等)
  • Rhythm Changes(OleoのAだけでもOK)
  • All The Things(8小節単位でOK)
  • So What(Dm7→Ebm7→Dm7)

右手の縛り(重要)
最初の2週間はアドリブ禁止。代わりに:

  • メロディ(片手で歌うように)
  • もしくは ルートだけ(コードの根っこを右手で1音)
  • もしくは スケールを上がって下がるだけ

目的は「左手を意識から外す」なので、右手は単純でOK。

合格条件

  • 右手がズレても左手は落ちない
  • フォーム(小節)を数えても左手が落ちない

④ 4分:仕上げ(無意識テスト)

会話テストまたは視線テストをします。

  • 譜面(コード)を見ないで回す
  • あるいは、別の文章を声に出して読む
  • それでも左手が回るか確認

合格条件

  • 8小節以上、左手が止まらない
  • 音が多少薄くなっても“時間が止まらない”

2) 週単位の進め方(“数週間で効く”設計)

(週に何日でも回るように、負荷の上げ方だけ示します)

Week 1:左手2音だけで「止まらない」を作る

  • 使う左手は ガイドトーン2音のみ
  • 曲は 枯葉 or Blue Bossa だけでOK
  • テンポは遅くて良い。止まらないことが目的。

Week 2:曲を増やす(進行パターンを横展開)

  • Fly Me(5度循環)
  • Jazz Blues(12小節)
    を追加。左手は依然2音固定。

Week 3:3音化(厚み) or テンポアップ(二者択一)

  • 3音にするなら:
    ドミナントは「9だけ」など、テンションを固定して迷いを封印
  • テンポを上げるなら:
    2音のままでテンポアップ(こちらの方が自動化は速い)

Week 4:Rhythm Changes / All The Things を“短く切って”導入

  • OleoはAの8小節だけでも十分
  • All The Things は8小節単位で回す(転調耐性)

3) これができたら「自動化完了」の判定基準

次のどれかができれば、左手はかなり自動化しています。

  • 目線を外しても(譜面なしでも)回る
  • 右手でメロディを歌っても左手が崩れない
  • ミスしても 止まらず次へ行ける
  • 同じ進行を 12キーで移調しても左手が同じ感覚で出る

4) よくある失敗と、回避ルール(ここ超重要)

失敗①:ボイシングを増やしすぎて“選択”が発生する

→ 回避:2音固定で2週間(選択肢ゼロが最速)

失敗②:右手を難しくしすぎて左手が崩れる

→ 回避:右手は「メロディ or 1音 or スケール」縛り

失敗③:止まる(これが一番ダメ)

→ 回避:迷ったら音数を減らして続行(3rdだけでも続ける)


5) 今日からすぐ始める「最小セット」

迷わないように、今日の20分を具体化します。

  1. 2分:Dm7–G7–Cmaj7(左手2音)
  2. 6分:
    • Dm7–G7–Cmaj7
    • Bm7♭5–E7–Am
    • C–A7–Dm7–G7
  3. 8分:枯葉(左手2音、右手はメロディ)
  4. 4分:コード見ないで8小節回す

もしよければ、夏目さんの今の状況に合わせて 最初の2曲を固定して、
その2曲の具体的な左手ガイドトーン(各コードの2音)を“譜面なしで見れる形”で一覧化します。

最後に1つだけ確認:
練習曲の中心を 「枯葉」+「Blue Bossa」 にして良いですか?(他の2曲希望でもOKです)

コメント

このブログの人気の投稿

Jazzの音源集【まとめ】(YouTube)

ジャズ リードシートと音源

Best Pianists and Alubums